富士登山の行動食ガイド|富士宮ルート・プリンスルート登山中のおすすめ行動食
富士登山の行動食ガイド
富士宮ルート・プリンスルートで山小屋に1泊する富士登山ツアーに参加される方向けに、登山中に持参したい「行動食」の選び方・タイミング・注意点をまとめました。
富士登山は登り下り合わせて長時間にわたる有酸素運動で、1回の登山で消費するカロリーは体重や行程によって異なりますが、一般的な登山でもフルマラソン1回分に匹敵するエネルギーを消費すると言われています。山小屋での食事だけでは間に合わないタイミングも多いため、歩きながら・休憩中にこまめに口にできる「行動食」を必ずご用意ください。
なぜ行動食が必要なの?
山小屋ではカレーやラーメン、うどんなどの温かい軽食を注文できますが、これはあくまで休憩ポイントでの食事です。行動中は別に、こまめなエネルギー補給が欠かせません。

シャリバテに注意
気づかないうちに体内の糖質が不足し、力が入らない・ふらつく・頭が働かなくなるといった症状が出ることを登山用語で「シャリバテ」と呼びます。症状が進むと食欲そのものがなくなり、回復にも時間がかかります。空腹を感じる前に、少しずつ・こまめに食べることが一番の予防策です。
また、登山は基本的に自分の食料は自分で持つのが原則です。「山小屋で食べようと思っていた」という前提だけに頼らず、悪天候や大幅な行程遅延で山小屋を利用できない場合に備え、行動食は必ず携行しましょう。
摂取量とタイミングの目安
- 行動を始める前に、軽くエネルギーになるものを一口
- 1〜1.5時間おきを目安に、100〜200kcal程度を少しずつ補給
- お腹が空いたと感じてからでは遅いため、「空腹になる前に食べる」を意識する
- 山小屋での休憩・食事とは別に、歩行中も並行して補給する
一度に大量に食べると消化に体力を使ってしまうため、少量をこまめに、が基本です。
富士宮ルート・プリンスルートならではの注意点
富士宮ルート・プリンスルートはいずれも富士宮口五合目が登山口・下山口となる、比較的コンパクトなルートです。とはいえ、五合目を出発してから山小屋に到着するまで、また山小屋を出発してから山頂・下山するまでの行動時間はしっかり確保しておく必要があります。
- 夜間・早朝は売店が営業していないことがあります。ご来光を目指して深夜に出発する場合は、その分の行動食を前日のうちに準備しておきましょう。
- 山小屋の売店も営業時間や在庫に限りがあります。「足りなくなったら山小屋で買えばいい」という考えに頼りすぎず、必要量は事前に用意してください。
- 標高が上がるほど気圧が下がり、食欲が落ちる方もいます。酸味のあるもの、水分を含んだゼリー系など、体調が優れないときでも口にしやすいものを1〜2種類は持っておくと安心です。
- ガイドが設定する休憩のタイミングに合わせて、少しずつ食べる習慣をつけておくと行程がスムーズです。ガイドは日本語で案内を行いますが、休憩中に行動食を口にすること自体はどなたでも自由に行っていただけます。
おすすめの行動食カテゴリ
味や食感にバリエーションを持たせると、長時間の行動でも飽きずに食べ続けられます。以下のカテゴリからいくつか組み合わせて準備するのがおすすめです。
すぐにエネルギーになるもの(糖質中心)
チョコレート、飴、羊羹、グミなど。糖質はすぐに血糖値を上げてくれるため、急に疲労を感じたときに効果的です。ただし夏場のチョコレートは溶けやすいので注意してください。
腹持ちの良いもの(脂質・たんぱく質を含むもの)
ミックスナッツ、ドライフルーツ、エネルギーバー・栄養補助食品、チーズ、魚肉ソーセージなど。糖質だけのものより持続的にエネルギーを供給してくれます。
塩分・ミネラル補給
塩飴、塩タブレット、梅干し、塩昆布など。汗で失われる塩分を補い、こむら返りなどの予防にも役立ちます。
食欲がないときにも食べやすいもの
エネルギーゼリー飲料、フルーツ系のゼリー、酸味のあるタブレットなど。手を汚さず、喉ごしよく摂取できるものは、標高が上がって食欲が落ちたときの強い味方です。
行動食と一緒に、飲み物もこまめに
行動食は水分と一緒に摂ることで消化・吸収がスムーズになり、脱水症状の予防にもつながります。特にゼリー飲料やナッツ、羊羹などの乾いた食品を食べるときは、水分もあわせてこまめに摂るよう意識しましょう。
水分だけでは不十分です
汗をかいた後に水だけを大量に摂ると、体内の塩分バランスが崩れてしまうことがあります。塩飴や梅干しなど塩分を含む行動食とセットで水分補給することを心がけてください。「水分は摂っていたのに動けなくなった」というのは、行動食を摂らなかった登山者によくあるパターンです。
出発時に持ち込む水分は、500mLペットボトル2本(水1本・スポーツドリンク1本)が目安です。足りなくなった分は各合目の山小屋で購入できます(標高が上がるほど価格は上がりますが、500円程度です)。最初から2Lなど大量の水を背負うと、その重さがかえって体力を消耗させてしまうため、「お金で軽さを買う」つもりで、現地補充を上手に活用しましょう。
山小屋での購入は現金のみとなります。小銭(100円玉)を多めにご用意いただくと、支払いがスムーズです。持ち物全般の詳しい準備リストは富士登山持ち物完全ガイドもあわせてご確認ください。
持ち運び方のコツ
- ザックの奥にしまい込まず、サコッシュや腰のポケットなどすぐ取り出せる場所に入れておく
- 個包装のものを選ぶか、1回分ずつ小分けにしておくと衛生的で食べやすい
- 割れやすいお菓子類はタッパーなど硬めの容器に入れる
- 標高が上がると気圧の低下で袋が膨張することがあるため、汁気のあるものは密閉容器に入れ替えておく
ゴミは必ず持ち帰りましょう
富士山にはゴミ箱がありません。行動食の包装紙や果物の皮なども含め、出たゴミはすべてご自身で下山まで持ち帰っていただきます。ジッパー付きの袋を1枚多めに用意し、空袋はその都度コンパクトにまとめておくと、ザックの中も快適に保てます。
どこで用意すればいい?
新宿発のバスをご利用の場合は、出発前に新宿周辺のコンビニエンスストア等で購入いただけます。富士宮五合目に売店がございますが、営業時間や品揃えには限りがあるため、行動食は事前に準備のうえお越しいただくことをおすすめします。
まとめ
- 行動食は山小屋の食事とは別に、歩行中こまめに補給するためのもの
- 空腹になる前に、1〜1.5時間おきを目安に少量ずつ
- 甘い系・しょっぱい系・酸味系など、味と食感にバリエーションを
- 夜間出発分や食欲低下時の分も見越して、事前にしっかり準備を
- ゴミはすべて持ち帰りが基本です
その他ご不明な点がございましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。